このたびの「令和6年能登半島地震」により被災された
皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
被災地域の皆様の安全と被災地の一日も早い復旧・復興を
お祈り申し上げます。

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GRCにGC、密かな自慢

grc

平成27年に完成した新しい外壁は低汚染型の塗装を施したアルミパネルにパンチングで伝統的な着物の柄(紋)を施し、賑わいのある新しい外観として生まれ変わりました。
 夜間にはイルミネーションにより光の演出をし、昼間とは異なった賑わいのある表情が浮かび上がります。他に事例のない極めて革新的な試みにより、なにわを活性化する新名所の誕生です。

 でも、実はアルミパネルだけでなく、他に事例のない極めて革新的な試みがあるんです。
 堺筋と御堂筋の1階部分の壁に注目です。なんだか幾何学的な模様を配した石壁ですが、これがGRCにGCしたものなんです。なんのこっちゃ。
 GRCはGlassfiber Reinforced Cementの略で、要はセメントモルタルとガラス繊維の複合体のことです。最近ではビルの内外装をはじめ、住宅、土木環境分野に多彩に活用されています。高意匠性に優れ軽量、強靭であり不燃、しかも高耐久性があり、これだけ聞いてもすごい。
 さらにGC加工を施しています。GCはグラフィックコンクリート(Graphic Concrete)の略でざっくりいうと「洗い出し」の技法です。コンクリートの表層が硬化する前に模様を残して洗い出し、内在する砂や骨材、ガラス繊維を露出させる技法で、素材の持つ質感の違いでグラフィックパターンを映し出します。
 開発したのはフィンランドのサムリ・ナーマンカ氏。1998年から6年かけて開発したそうな。お疲れ様です。このサムリ・ナーマンカ氏に協力をお願いし出来上がったのが船場センタービルの壁です。日本で初めてのGCらしいです。すばらしい。
 価格も1平方—メートル100,000円は下りません。いやらしい。
 御堂筋は「麻の葉」、堺筋は「波」の模様をイメージしたものになっており、遠くから見るとパターンが繰り返される模様が幾何学的でいい感じ、近寄って見るとガラスやなんやかんやが混ざった素材の風合いが奥行きをかもし出して、まるで遠くから見た縞柄の生地が細かく見るとたくさんの繊維が織り込まれているようで、製作者は「繊維の街」をこんな形で表現することを狙っていたそうです。ちょっと奥深すぎでそこまでイメージを膨らませるには座禅でも組んで庭の枯山水を眺めるぐらいの心持ちが必要です。
 まぁーそこまでせんでも、とりあえずは触りたくなったでしょ。

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